図書館で借りて読んだ本。
ある私立高校の生徒会を舞台に「正義」をめぐり、生徒会長の主人公「正義(まさよし)」が同じ生徒会の3人の女子高生とのかけ合いから「正義」の正体を考える物語風の本です。
「正義の教室」の目次
プロローグ ある男の選択
第1章 倫理的な彼女たち
第2章 3種の正義「平等、自由、宗教」
第3章 平等の正義「功利主義」
第4章 幸福は客観的に計算できるのか? -功利主義の問題点
第5章 自由の正義「自由主義」
第6章 格差を広げ、弱者を排除してもいいのか? ―自由主義の問題点
第7章 宗教の正義「直観主義」
第8章 人は正義を証明できるのか? ―直観主義の問題点
第9章 正義の終焉 「ポスト構造主義」
エピローグ 正義の決断
「正義の教室」の内容
主人公の周りの3人の女子高生は、それぞれの主義に合わせた「正義」を持っています。
またその主義に合わせた名前になっていて、ちょっとだけ読みにくかった。けどあえての狙いでしょうね。
- 功利主義で幼馴染の最上千幸(もがみ・ちゆき)
- 自由主義で帰国子女のリバティ・自由(みゆう)・フリーダム
- 直観主義で和風の徳川倫理(とくがわ・りんり)
この4人が倫理の授業を受けることとなっていくストーリーで、スキンヘッドで色眼鏡の風祭封悟(かざまつりふうご)という先生に「正義」を中心に色々と考えていきます。
哲学に関する本なのですが、高校の生徒会や読みやすいストーリになっていて、3日間(6,7時間)で読み終わってしまいました。
そして哲学の本なのに「マジックミラー号」という単語が出てきます。
分かる人にしかわからないのですが(作中の倫理ちゃんも戸惑うww)、とっても軽い感じでストーリが進んでいく哲学本です。
ただ、3人の女子高生がそれぞれの主義を代表したキャラクターで描かれているため、ストーリーを通して平等の正義「功利主義」・自由の正義「自由主義」・宗教の正義「直観主義」を知り、事例を通していろいろ考えることができます。
「正義の教室」を読んだ感想
最後の、、最後の4ページで、「倫理を」「正義を」理解できたのか試されるのですが、、、僕はまだまだだったようです。
自分が主人公のキャラクターになったような感じで、読み進めていたのですが、、、実際に行動するというか、自分の考え方(主義)を変えるというのは難しいのだなと感じることができた気がします。
ある程度、歴史に合わせて哲学的な考えを見ることができますが、2021年に読んだ「教養として学んでおきたい哲学」とは違い、ストーリーを中心にわかりやすく書いてくれている本でした。
「哲学とはなにか?」という入門としては、とても読みやすくわかりやすい本だと思うので、おすすめできますが、、、「マジックミラー号」という単語がわかるようになってから読んだほうが良いかもしれないです。
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