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渋沢栄一の『論語と算盤』を読んでみた

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) 渋沢 栄一 読んでみた
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渋沢栄一といえば、2024年度上半期に一新される紙幣(日本銀行券)の1万円になることで話題になって、ドラマ『青天を衝け(せいてんをつけ)』にもなりました。

渋沢栄一は、明治維新後に約480社もの企業の設立・発展に貢献した方で、「日本資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれて、ノーベル平和賞の候補にもなったそうです。

そんな渋沢栄一の『論語と算盤』という本があるのですが、なかなか100円で買うことが出来なかったので、普通に買っちゃいました。

現代訳になっているのですごくわかりやすかったのですが、これは子どもが読めるようになったら1回はちゃんと読ませておきたい本でした。

『論語と算盤』の目次

全10章にまとめられていて、それぞれのテーマに関して書かれています。

ちなみに、『論語と算盤』は渋沢栄一が直接書いたわけではなく、講演の口述をまとめたもので、さらに現代語訳版では、訳者の守屋淳さんが重要な部分を選んでくれているものになります。

孔子の『論語』と同じような成り立ちだったのが、はじめから面白い部分ですね。

  • はじめに
  • 第1章:処世と信条
  • 第2章:立志と学問
  • 第3章:常識と習慣
  • 第4章:仁義と富貴
  • 第5章:理想と迷信
  • 第6章:人格と修養
  • 第7章:算盤と権利
  • 第8章:実業と士道
  • 第9章:教育と情誼
  • 第10章:成敗と運命
  • 十の格言
  • 渋沢栄一小伝

『論語と算盤』の気になったところ

全体的にもっと若いときに読みたかったと思うような内容が書かれているのですが、もうそこまで若くないので、自分の子ども達に教えたいようなことが色々気になりました。

P49 大きな仕事、小さな仕事

・・・およそどんなに些細な仕事でも、それは大きな仕事の小さな一部・・・

仕事は、最初簡単なことから始まっていくのですが、それが積み重なってどんどん大きな仕事になっていくのは、やってみないとわからないけど、ちゃんと伝えてあげておきたいポイント。

P65 常識とは?

まず、何かをするときに極端に走らず、頑固でもなく、善悪を見分け、プラス面とマイナス面に敏感で、言葉や行動がすべて中庸にかなうものこそ、常識なのだ。

この後に「智、情、意(知恵、情愛、意志)」の説明があり、この3つがバランスを取ることで「常識」の原則がわかるのですが、なんかわかりやすかった。

P101 モノを大事にする

「一杯のご飯でも、これを作るのにいかに苦労を重ねてきたのか知らなければならない。紙切れや糸くずでも、簡単にできたわけではないことを理解せよ」

ご飯を食べるときに「ご飯粒を残さない」といっているのですが、理由としては「米を作るのが大変なんだよ」と言っていたのですが、もっと広い視野で話をしてあげようと思いますね。

P145 忠信高弟、仁

・・・最高の道徳を身につけるために、・・・

第1子くんが小学生になって、「道徳」の授業を受けているのですが、学校では習わない大事なことですね。

P151 西洋と東洋

・・・たとえばキリスト教の方では
「自分がして欲しくないことを、人にもしなさい」

と教えているが、孔子は
「自分がして欲しくないことは、他人にもしない」

と反対に説いている。

ここは単純に面白かったところ。

「権利思想」という部分から説明をしているのですが、考える方向やアプローチが違っても、言いたいことは同じなのかなと。。

P155 富の再分配

もちろん、国民全部がみな富める者になれるのが望ましいのだが、人には賢さや能力という点でどうしても差がある。誰も彼もが一律に豊かになる、というのはちょっと無理な願いなのだ。だから、富を分配して差をなくしてしまうなどというのは、思いもよらない空想にすぎない。

最近の日本政治を見ていると「分配」、中国は「共同富裕」。。

ほぼ100年前に「無理な願いで、空想」っていわれてるけど、一周回って大丈夫になったってことなのか?? なんか不安ですね。。

P188 親孝行とは

「子どもに孝行させるのではない。親が孝行できるようにしてやるべきだ」

おぉ〜〜〜!!!って、なった。

子どもたちを自分の思い通りにしようとすると、親不孝になる。確かに!

P200 教育とは

・・・身近な実務教育においても、知育と徳育とを一緒に行っていきたい・・・

「知育」は、子育てし始めるとよく見かけるワードですが、これ以外に「徳育」「体育」「食育」もある。っていうのをちょっと前に見かけて、大事だよなぁ〜って思っていたら、また出てきた!

『論語と算盤』読んだ感想

40代になって初めて読んだのですが、『論語と算盤』は社会に出るまでには読んでおいたほうが良かったなぁ〜と感じる本でした。

とはいえ、自分がその頃に選んで読むかというと微妙な感じだから、論語の簡単なもの(以前読んだ「超訳 論語」)から始めて、『論語と算盤』につなげていけると読みやすい感じがしました。

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