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『「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ』を読んでみた

読んでみた
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伝説の任天堂開発者「横井軍平」さんによって語られた開発哲学「枯れた技術の水平思考」を読んでみたいと思っているのですが、なかなか見つけることが出来ずにいたら、任天堂のプランナーで「Wii」の企画担当として、「Wiiのエバンジェリスト(伝道師)」「Wiiのプレゼンを最も数多くした男」と呼ばれた「玉樹 真一郎」さんの著書を見つけて読んでみました。

「体験デザイン」が中心になっているので、心理学や行動経済学も関係しているなぁ〜と思うし、ストーリーを上手く利用している部分が、積読しているデービッド・アーカーの「ストーリーで伝えるブランド」のストーリーテリングと似ていた!

『「ついやってしまう」体験のつくりかた』の目次

  • はじめに
  • 第1章 人はなぜ「ついやってしまう」のか
  • 第2章 人はなぜ「つい夢中になってしまう」のか
  • 第3章 人はなぜ「つい誰かに言いたくなってしまう」のか
  • 終章 私たちを突き動かす「体験→感情→記憶」
  • 巻末1 「体験のつくりかた」の使いかた(実践編)
  • 巻末2 体験デザインをより深く学ぶための参考資料

 

『「ついやってしまう」体験のつくりかた』の気になったところ

任天堂なので、スーパーマリオやドラゴンクエストなど、ゲームのデザインが中心で話が進んでいくので、すごくわかりやすい!

p.54 自発的に学んだことは、一生否定できないほど深く信じる

スーパーマリオを題材にしていて、自転車の練習から自転車が乗れるまでを例にしているのですが、一回できるようになって(体験して)しまえば、疑う必要のない真理になる。

p.70 直感デザインの連続

「おもしろい!」と感じるのは、小さな成功体験を繰り返して、小さな喜びを積み重ねた後に「おもしろい!」と感じている。

p.96 ユーザーを起点にしてデザインする

いわゆる「ユーザーファースト」ですね。

作り手のエゴを押し付けると、良い物は出来ないという戒め。

なんであれ作り手側は、作る過程で何度も何度も同じものを見て作っているので、自然と理解力が上がっていくけど、ユーザーは同じ経験をしているわけじゃないから、初めて使うユーザーが理解できるようにしなきゃいけないのは、web制作も一緒ですね。

p.100 「ぱふぱふ」

ドラクエ1〜4に出てくる有名な「ぱふぱふ」(笑)

「ぱふぱふ」には深い意味があったことを知る「プレイヤーの予想を外すという体験デザイン」。

単純な繰り返しだけしていると、予想ができるようになってしまい「飽き」がうまれてしまうから、予想を裏切ることで体験をリフレッシュしてしまうというデザイン。

p.200 収集という体験デザイン

「白紙のポケモン図鑑を渡されて、穴の空いた部分を収集する」ことで、どんどん記憶していく体験デザインは、今のスマホゲームでも踏襲されているなと。

それで行くと、学校で学ぶ様々な教科は、その学年になれば順番に教えてもらう形だけど、ポケモン図鑑のように全体を一覧にしてあげてもいいのかなと思った。

「ひたがな」「カタカナ」「1年生の漢字」「2年生の漢字」「足し算」「引き算」「掛け算」「割り算」「分数」「ドレミファソラシド」などなどを、全体が見えるマップにして、ちゃんと理解して使えるようになったら塗りつぶしていく的な。

年の差がある兄弟でも、できるできないが分かって、できることが増えたらリワードがあってもいいなぁ〜。

p.260 スタート地点に戻すデザイン

ゲームだけじゃなく、映画や本でもありそうなパターンですね。夢オチとか。

でも、たとえ夢だとしても、記憶に残るような「自発的にした経験」を得たことで、経験前とはぜんぜん違う考え方になっているというのはよくわかる気がする。

「本を読む意味」として考えても、同じことが言えそうです。読後はスタート地点(現実の自分)に戻る。

p.276 体験デザインの研究領域

なんであれそれだけで完結するものはなく、たくさんの領域と繋がっている。

p.281 体験デザイン手法のまとめ

1ページにギュッと凝縮して、体験デザインの手法をまとめてくれていて便利。

左ページの図は、最初から出てくるのですが、ほぼ空白だった図が情報ギッシリになって、テキストだけじゃなくデザインされていて、一度読めばそれぞれを思い出すきっかけになっている。

学校の授業もこんな感じで、学習教科全ての全体像を見せてあげてから、自分に足りないものを学んでいくほうが楽しくなるような気がしますねぇ〜。

『「ついやってしまう」体験のつくりかた』読んだ感想

任天堂のゲームをサンプルにして、「体験デザイン」について詳細と手法を垣間見ることが出来たのですが、ポケモン図鑑の事例が一番記憶に残りました。

全体像を確認して、足りないものを埋めていく体験は、小さな達成を繰り返すことで、面白さが出てくるかもしれないと感じます。

実際、スマホゲームでもガチャ的な要素で、足りない部分を埋めたくなるし、収集癖がある僕としては足りない部分は埋めてしまいたくなるし。

第1子くんが小学生になって、勉強を初めて色々吸収しているようなので、第2子ちゃんと第3子ちゃんのモチベーションアップにもなると思うし、ちょっと作ってみようかな。学習全体図。

この記事の本『「ついやってしまう」体験のつくりかた』

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