インプレスホールディングス(9479)の株主優待で「電子出版物セット」を、かれこれ3年もらっているのですが、
今回もらったセットの中に、前田 高志著の「鬼フィードバック~デザイン力はダメ出しで育つ~」があり、さっそく読んでみました。
この本では「バナー、名刺、チラシなど」デザイナーが各デザインを作成する時に、アートディレクターと日々行う「コミュニケーションラリー」を疑似体験することができます。
僕はデザイナーではないのですが、以前働いていたベンチャー企業の社長がデザイナー(アートディレクターの立ち位置)だったので、その時駆け出しのwebディレクターっぽいことを始めていた時に、ほとんど同じ「コミュニケーションラリー」をしていました。
しかも【社長(デザイナー) ⇔ 僕(webディレクター) ⇔ デザイナー】っていう、中間管理職的な感じで!
その時は「作成してるデザイナーと直接やり取りすればいいじゃん!」「えっ?!それさっきと言ってること違うし。。」「そんな数ミリ位置を変える必要あるの?」「1回で言ってくれればいいのに。何回同じところ直すんだよ。。」なんて思っていたのですが、数年するとこの「コミュニケーションラリー」で作成されたデザインが普通になってしまって、その後のwebディレクターの仕事に大いに役立っています。
今の時代、「バナー、名刺、チラシ」などデザインされたものはどこでも見かけますが、実はすごく考えられていることがこの本を読むとわかると思います。
デザイナーだけでなく、社会人なら1度は読んでおいたほうがいい本だと感じました。
つい最近、保育園の管理栄養士をやっている奥がデザインなんか関係ないと思っていたのに、保育園で行うイベントのチラシを作ることになり、僕とプチ「コミュニケーションラリー」をしました。
たまたまチラシを見た人に「伝えたいことを、シンプルに伝えて、イベントに参加してもらう」ってとっても難しいのですが、この本に出会っていれば集客効果も変わっていたかもです(笑)
『鬼フィードバック~デザイン力はダメ出しで育つ~』の目次
「鬼フィードバックとは」の説明の後は、各制作物ごとにチャレンジャー(デザイナー)と鬼の「コミュニケーションラリー」を、デザインの変遷とともに見ていくことができます。
- Introduction 鬼フィードバックとは
- Chapter1 バナー
- Chapter2 名刺
- Chapter3 チラシ
- Chapter4 サムネイル
- Chapter5 プレゼン資料
- Chapter6 POP
- Chapter7 ポスター
- Chapter8 企業ロゴ
- おわりに
- 鬼フィードバックを受けた勇者たちの感想
『鬼フィードバック~デザイン力はダメ出しで育つ~』の気になったところ
全体的に、自分がデザイナーになった気持ちで読んでいくと、学びが多いかもしれないですね。
P.35 デザインの「変化過程」や「細かい指示」も見れる
通常は、出来上がったデザインしか目にしないのですが、どういう流れでこのデザインになっていったのか知るのがとっても大事ですね。
また「そんな細かいところまで見るの?!」っていう指摘された部分も、そのまま見れるのでデザイナーはどこまでやる必要があるのかがよくわかります。
P.69 0.2mmの位置調整
これを昔何度もやりました。
データ上はピッタリと揃っているのですが、実際に見てみると違和感を感じる時があるんですよね。
特にひらがなやカタカナの組み合わせって、文字間が目立つことがあります。
この大きさの文字だとあまり気にならないのですが、
この太さ・大きさになると「デ」と「ザ」の文字間よりも、「イ」と「ン」の文字間が広いので段々と違和感を感じてきます。(※半角スペースなどは入れていません)
デザインするときには、こういったところもしっかり直さないといけないので、イラレやフォトショが必要になるっていうのもよく分かるようになりました。
P.165 デザイナーが思考する中身も見れる
「企業ロゴ」のチャプターで、デザイナーがいろいろと考えてアイディアの数を出しているところです。
こういうのって、実際に関わっていないと見えない部分ですが、時には何も考えずに数を多く出す作業も必要なんですね。
『鬼フィードバック~デザイン力はダメ出しで育つ~』読んだ感想
実際の制作現場でも同じようなやり取りが行われて、デザインが作られているのですが、ここまで細かく掲載されている本やwebは今まで見たことがないです。
僕自身がデザイナーではないので、実際の作業をしたわけではないのですが、それに近いことを昔していたこともあって、それが間違いではなくてあっていたことが十数年経って知りました。
そんなこともあり、ちょこちょこポストに投函されるチラシとか、街の掲示板に掲載されているポスターなどを見ると気になっちゃうことがあるんですよね。
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