近年よく耳にする「パーパス経営」が気になっていたら、「資本主義」を「志本主義」(志:こころざし→パーパス)と呼び替えて説明している本を、本屋さんで見かけて買っちゃいました。
約500ページもある、分厚い本ですが、志本経営とは何なのかから始まって、歴史、事例、実践、提言と過去から現在未来へと説明をしてくれます。
しっかりと「パーパス経営」の事がわかるようになっていて、2,800円+税なのでお得感もありました。
2021年7月に購入したのですが、、、途中でちょっと疲れちゃって、読み切るまでに1年かかっちゃった。。
『パーパス経営』の目次
「パーパス経営」は全4部、15章で構成されています。
著者の「名和 高司」さんは、一橋大学ビジネススクール客員教授で、約20年間マッキンゼーのディレクターとしてコンサルティングに従事して、ボストン コンサルティング グループのシニアアドバイザーに従事された方です。
第Ⅰ部 志本経営とは何か
- 第1章 資本主義の終焉
- 第2章 資本主義を超えて
- 第3章 志本主義の系譜
- 第4章 日本流再考
- 第5章 志本経営の時代
第Ⅱ部 志本経営企業の群像
- 第6章 世界の志本経営企業(ネスレ、ユニリーバ……)
- 第7章 日本の志本経営企業(ファーストリテイリング、オイシックス・ラ・大地)
- 第8章 世界と日本の共通点、相違点
第Ⅲ部 志本経営の実践
- 第9章 サステイナビリティの実践
- 第10章 デジタル時代に求められる進化力
- 第11章 「グローバルズ」のフラクタル構造
- 第12章 鍵を握る無形資産
- 第13章 MX――経営のイノベーション
第Ⅳ部 日本企業への提言
- 第14章 失われた30年の蹉跌
- 第15章 志が拓く未来
『パーパス経営』の内容
とりあえず、盛りだくさんです(笑) 教科書的な感じで、いろいろな情報を引き出すことができるようになっています。
また著者の新しい考え方なども、とても面白いです。
新SDGs
「はじめに」で説明してくれているのですが、普通は「SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」になるのですが、著者の「新SDGs」は、Sustainability X Digital X Globals」という新語にしていました。
またSDGsは17個の大きな目標になりますが、事例で紹介されている企業は、独自の18個目「自社ならではの価値創出」をしていると説明してくれています。
独自のパーパスをもっている企業は日本にも世界にもあって、その事業は差別化が出来ているから強いというところに納得感。
CSV
この本を読んでいると何度も出てくる「CSV」です。
マイケル・ポーターが提唱した言葉で「CSV:Creating Shared Value(共有価値の創造)」のことです。
ただ何度読んでても僕が最初に思いついちゃうのが、同じスペルの「CSV:Comma Separated Values(カンマ区切り)」の方なんですよね。エクセルの「CSVファイル」のやつ。
MTP(Massive Transformative Purpose)
第Ⅲ部「志本経営の実践」で、『MTP(Massive Transformative Purpose)』という言葉が出てきます。
よく企業理念にある「ビジョン」ではなくて、「パーパス」であるところがミソというのがわかる気がする。
このMTPは、シリコンバレーの代表グーグルだと「ムーンショット」と呼んでいて、日本では「北極星」というのがしっくり来るそうです。
簡単に手が届くパーパスではなく、手が届かないぐらい遠いところに志を掲げたほうが、今の延長線ではない大きな改革・バージョンアップができるとな。
『パーパス経営』読んだ感想
アダム・スミスの「(神の)見えざる手」から始まって、渋沢栄一の「論語と算盤」、シュンペーターの「経済発展の理論」、野中郁次郎、ハーバード・ビジネス・レビューなどなど、よく引用される本のオンパレードで、まだ読めずにいる本も読んでおいたほうがもっと色々分かるだろうなって思った本でした。
パーパス経営に関しても、かなり細かく説明してくれているし、事例として出てくる日本企業は、ユニクロや花王、YKK、カインズなどなので、自分に身近な会社だとわかりやすいですね。
「パーパス経営」「志本主義」が気になるなら、最初に読んでおくといい本ですよ!
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